しく

しく
I
しく
(動カ下二)
しける(時化)
II
しく【四句】
〔仏〕 偈(ゲ)。 多く八言四句なのでいう。
III
しく【四苦】
〔仏〕 人生の四つの苦しみ。 生・老・病・死をいう。

「~八苦」

IV
しく【四衢】
四方に通じている道。 よつつじ。
V
しく【如く・若く・及く】
(1)匹敵する。 かなう。 およぶ。 多く打ち消しの語を伴って用いる。

「逃げるに~・かず」「明媚争(イカデ)か画も~・かん/金色夜叉(紅葉)」

(2)追いつく。

「黄泉(ヨモツクニ)に入りまして, ~・きて共に語る/日本書紀(神代上訓)」

如くは無・し
及ぶものはない。

「油断大敵身の用心に~・し/西洋道中膝栗毛(魯文)」

VI
しく【市区】
(1)市と区。
(2)市街の区画。
VII
しく【敷く・布く】
(1)平らに広げて置く。

「布団を~・く」「カーペットを~・く」

(2)おおうように一面に並べる。 しきつめる。

「砂利を~・く」

(3)下にあてがうために物を平らに置く。

「座布団を~・く」「下敷きを~・いて書く」「緑なす蘩蔞(ハコベ)は萌えず若草も~・くによしなし/落梅集(藤村)」

(4)おさえつける。

「亭主を尻に~・く」「組み~・く」

(5)広くゆきわたらせる。 発布する。 《布》「善政を~・く」「戒厳令を~・く」
(6)配置する。 また, 施設を取り付ける。 敷設する。

「鉄道を~・く」「陣を~・く」

(7)一面に広がる。 (ア)おおうようにすき間なく散らばる。 散りしく。

「いつしか雪の降出でて, 薄白く庭に~・けるなり/金色夜叉(紅葉)」(イ)広く満ち満ちる。 「霧の~・きたる夜なりし/遠野物語(国男)」

(8)治める。 統治する。

「天皇(スメロキ)の~・きます国の天の下/万葉 4122」

‖可能‖ しける
︱慣用︱ 尻に~・レールを~
VIII
しく【死句】
(1)仏の教えの言葉のみにとらわれていること。
(2)詩・俳諧で, 言外に余情のない句。
活句
IX
しく【死苦】
(1)〔仏〕 四苦の一。 人は死を逃れえないという苦しみ。
(2)死ぬときの苦しみ。 また, 死ぬほどのひどい苦しみ。
X
しく【詩句】
詩の一節。 詩の文句。
XI
しく【頻く】
繰り返し起こる。 たび重なる。 しきる。

「今日降る雪のいや~・け吉事(ヨゴト)/万葉 4516」


Japanese explanatory dictionaries. 2013.

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